肉の解凍について

高温多湿の日本では、生の肉はすぐにだめになってしまいます
特に夏は、クール便を使っても到着するころには10℃を超えてしまう、なんてこともザラにあります
そこでCRAFT MEAT & LAB.ではDENBA社に協力いただき最新冷凍技術を採用しました
生よりいい状態で届くお肉を、いつでもお楽しみください

とはいえ、凍ったまま調理したり、解凍後何日も冷蔵庫で保管してしまうと
折角のコンディションも悪くなってしまいます
このページでは最高の状態でお召し上がりいただくための解凍方法を紹介します

解凍のコツは3つあります
①均一に解凍する:細胞へのダメージを抑える
②低温で解凍する:4℃以下で解凍し細菌の繁殖を抑える
③手早く解凍する:酸化やドリップなど劣化を抑える

これを踏まえCRAFT MEAT & LAB.では氷水を使った解凍方法をおすすめします
お急ぎの場合は冷水につけたまま冷蔵庫へ
さらにお急ぎの場合は流水解凍を試してみて下さい

おすすめの解凍方法 氷水解凍

お肉が完全に浸かるサイズの大きいボウルを用意します、無ければ洗面台に栓をして準備しましょう。

必ずパックのままお肉を入れ、上からお肉が隠れる程度の氷を入れた後、お肉全体が浸かるよう水を張って下さい。

氷が溶けきらないようにボウルごと冷蔵庫に入れるか氷を足し続ける事でよりきれいに解凍できます。
氷水の温度はほぼ0℃、空気と比べ熱の伝わりやすい水を使うことで、そのまま冷蔵庫に放置するよりずっと早く解凍ができます。

解凍時間の目安:厚さ1cmあたり2時間

お急ぎの場合は

[冷蔵庫解凍]
水を貼ったボウルにパックのままのお肉を入れ、ボウルごと冷蔵庫に入れてください。
お肉と水の比率にもよりますが、大体4℃前後で安定しますので、氷水解凍より少し早く解凍できます

解凍時間の目安:厚さ1cmあたり1時間

[流水解凍]
さらにお急ぎの場合は、温度と均一を諦めましょう

水を張ったボウルにパックのままのお肉を入れ、少量の水を流し続けるだけの簡単解凍方法です
この方法だと肉の温度が水道水の温度まで上がってしまいます、解凍が終わったらすぐ食べるようにしてください
夏場はこの解凍方法は行わず、冷蔵庫を使うようにして下さい

解凍時間の目安:厚さ1cmあたり15分

肉の焼き方について

[火入れについて]
肉焼き技術は、7割が火入れ、2割は水分調整、1割が塩分調整だと考えています

この7割部分はお金で買えます、芯温計を使いましょう
焼く時の温度はこの下にすべて書いておきました
それに沿って数字を合わせていくだけで大成功のお肉をお約束します

美味しい肉を食べるためにも、安心して召し上がっていただくためにも、
加えて芯温計を使うとプロっぽくて格好いいです
アマゾンなどで2500円程で買えるので是非ご購入下さい

もう一つ用意したいものはアルミホイルです
アルミホイルはしっかり包んでしまうと蒸気で肉が蒸れてしまいます
ふんわり包みましょう
また、一度くしゃくしゃに丸め広げて使う事で直接肉に触れる面積が減り
さらに保温性が増し、肉の蒸れも防げます

さて、火入れは大まかに2つのアプローチがあります
①低い温度でゆっくりじっくり焼く : 牛内臓・牛霜降り・豚全般
②高い温度で一気に焼き切る : 牛赤身牛・鶏肉

このページでは①②それぞれの焼き方を解説します。
難しくありません、切ってみて生焼けだったらもう一度焼けばいいだけです
気軽にいきましょう!

[塩について]
人は0.8%の塩分濃度が最も美味しく感じる、とよく言われます
が、肉を焼く際はあまり深く考えないで大丈夫です
肉は元々0.2%程の塩分を含みますし、塩の種類によっても塩分濃度は異なります
塩が強めの肉も美味しいですし、弱ければ足せばいいだけです

とはいえ
焼いたあと出汁を含ませるといった特殊な調理をする場合を除き、焼く前に少量の塩を振る事をお勧めします
下味として肉に塩分が入っている方が、肉の味はより分かりやすく美味しくなります
この場合、実は大切なのは塩分量より塩の種類です

というのも、塩を生肉に振ると2つの変化が起こるからです
①浸透圧で肉から水分が抜ける
②凝固作用で肉が硬くなる

①の水分流出はそれほど深く考える必要はありません
そもそも焼く目的の一つは水分をコントロールして味を深める事なので
塩の影響を計算に入れればいいだけです

問題は②の一つのタンパク質凝固作用です
豆腐を作る際、豆乳ににがりを入れて固めるのと同じですね

一般的に塩と言われるもは、純粋な塩分であるナトリウムの他に
マグネシウム・カルシウム・カリウムなどのミネラル分を含みます
ミネラルは塩味を丸くし甘味までを感じるとてもいいものなのですが
カルシウムはナトリウムと比較して5倍
マグネシウムに至ってはなんと10倍を超える凝固作用を持つ
肉を焼く時に限っては避けたい成分です

有名どころの塩の100gあたりミネラル量(mg)を比べてみましょう
 食卓塩 160mg
 マルドンシーソルト 194mg
 伯方の塩 400mg
 アルペンザルツ 475mg
 ピンクソルト 491mg
 赤穂の塩 620mg
 カマルグの塩 1000mg
 ゲランドの塩 3000mg

食卓塩はどのスーパーでも売っているとても安い塩ですが肉の下味としては最適です
逆に焼いた後の肉であればどの塩でも凝固作用はほぼ起こりません
そのため、下味としての食卓塩 + 焼いた後の味付けとして美味しい塩
この組み合わせでの利用をお勧めします

実践編① 霜降りステーキを分厚いまま焼く

この焼き方をする肉:黒毛和牛サーロイン・肩ロース
使える道具:フライパン

①肉を常温に戻す必要はありません、冷たいままで焼き始めます

②肉に軽く塩を振る(重量の0.6%が目安)

③フライパンに水を1滴入れて中火で熱する

④水が蒸発したら少量の白ゴマ油かサラダ油を引いてすぐに肉を焼き始める
※焼く前に肉に芯温計を刺しておきます

⑤15秒ごとに肉を裏返す

⑥芯温が52度になったら余熱調理に入ります
芯温計が無い場合、トングで肉をつまみ軽く振ってしっかりした弾力を感じれば大丈夫です、次に進んでください

⑦アルミホイルでふんわり2重に包む

⑧しばらく余熱で芯温が上がります、芯温が下がり始めたら食べ時です
芯温計が無い場合、加熱した時間の半分を目安に休ませて下さい

実践編② 赤身系の牛肉・豚肉を分厚いまま焼く

この焼き方をする肉:
黒毛和牛ランプ・イチボ・タン
豚ロース・豚肩ロース
使える道具:フライパン/魚焼きグリル

①焼く15分前に肉を冷蔵庫から出し、肉に軽く塩を振る(重量の0.6%が目安)

②焼く直前に肉に白ゴマ油かサラダ油を塗る

③芯温計を刺した肉をセットしてから、フライパンなら弱火に、魚焼きグリルの場合は一番弱い火にした上でグリルの蓋を少し開けておく

④2分ごとに肉を裏返す

⑤芯温が50度になったら余熱調理を始めます
芯温計が無い場合、トングで肉をつまみ軽く振って水風船のようなハリを感じれば大丈夫です、次に進んでください

⑥アルミホイルでふんわり包む

⑦しばらく余熱で芯温が上がります、芯温が下がり始めたら最後の加熱をします
芯温計が無い場合、加熱した時間の1/3を目安に休ませて下さい

⑧強火にしたフライパンで片面5秒5回ずつ焼いて熱いうちにお召し上がりください